西海の女性2人殺害:「裁判員の判断、難しそう」 傍聴席44席に475人−−地裁で論告求刑公判 /長崎
毎日新聞 6月4日(火)15時51分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130604-00000242-mailo-l42
西海ストーカー殺人事件の裁判員裁判は3日、長崎地裁で論告求刑公判があり、検察側が死刑を求刑し、殺人など五つの罪に問われた筒井郷太被告(28)は無罪を主張。11回に及ぶ審理が終わった。傍聴席44席に対し、475人が抽選に並び、市民の関心の高さが浮き彫りになった。判決は14日。
傍聴の抽選に参加した長崎市の70歳の女性は「興味があって。初めて裁判を見に来た」。長崎市の男性(65)は「あれだけ証拠があって無罪を主張するのはなぜか、気になった」と話した。
傍聴した同市の団体職員男性(28)は「被告が淡々と話す姿が印象的だったが、演技のように見えた。無罪から死刑まで量刑があり、裁判員にとってはかなり難しいのでは」と感想を語った。【竹内麻子】
◆検察側論告・弁護側最終弁論(要旨)
検察側は論告で死刑求刑の経緯を説明。弁護側は最終弁論で改めて無罪を訴えた。それぞれの要旨は次の通り。【小畑英介、樋口岳大】
◇検察側
【犯行】
犯人ではない人間が事件の翌朝、殺害に使われた出刃包丁などを持ち、被害者の血液が付いたコートなどを着用している偶然はあり得ない。被告は女性に「俺から離れたら、俺は絶対にお前の家族を殺す」と発言したり、家族へ脅迫メールを送ったりするなど動機もある。自白以外の証拠で犯人であることは明白だ。
【自白】
取り調べの様子を録画・録音したDVDなどで、被告は任意に供述している。自白の内容も詳細、具体的であるほか、被害者方を訪れた宅配業者とのやり取りは、犯行時刻にその場にいた者でなければ述べられず、信用性がある。出刃包丁を持っていたことなど不利益な証拠には、警察が捏造(ねつぞう)したと強弁するなど、荒唐無稽(むけい)な主張をしており、公判での弁解は信用できない。
【責任能力】
精神科医の鑑定結果で、責任能力を左右する障害は認められなかった。鑑定は4カ月近くかけ被告や家族との面談などをしており、判断方法にも問題はない。鑑定は信用でき、結論は妥当。殺害の計画性や、警察から逃れるために携帯電話の電源を切るなどの行動は、被告に善悪の判断やそれに基づき行動をコントロールする能力が十分あり、完全責任能力を有しているといえる。
【情状】
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