「よく大量殺人を空想した」 ストーカー殺人の元受刑者
愛知県西尾市で1999年、同級生だった女子高校生(当時16)をストーカー行為の末に刺殺し、実刑判決を受けて服役後、無関係の女性への傷害事件で再び逮捕、起訴された無職鈴村泰史被告(30)=同県蒲郡市=が朝日新聞の取材に応じた。2008年に東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件を挙げて「よく自分が大量殺人をする空想をしていた。死刑が嫌で殺さなかった」と語った。
鈴村被告は起訴後の昨年12月27日~今年2月14日の4回、勾留されている蒲郡署と豊橋刑務支所で記者と面会した。丸刈りの頭で、記者の質問に早口で答えた。
起訴状によると、鈴村被告は昨年8月19日午後0時半ごろ、蒲郡市内で通りがかりの20代の女性に包丁を突きつけて引き倒し、引きずるなどして約5日間のけがをさせたとされる。名古屋地検豊橋支部は鈴村被告の精神鑑定を実施し、責任能力があると判断した。
ストーカー殺人と今回の事件は、女性を刃物で脅して自分の思い通りにさせようという点が共通している。
鈴村被告は今回の事件の動機を「自分の人生がむちゃくちゃなので、他人の人生もむちゃくちゃにしてやりたかった」と説明したうえで、性的な背景を認めた。さらに「大量殺人をする空想ばかりしていたから、今回は起こるべくして起こった事件」「やっぱり死刑になったら嫌だなと思って大量殺人はやめた」と話した。
ストーカー殺人の判決は「(鈴村被告が)被害者を拉致して犯し、拉致できなければその場で殺し、他の女性を犯そうと考えるに至った」と指摘していた。
鈴村被告はストーカー殺人の裁判を振り返り、「刑を軽くするため、反省したふりをした」と明かした。一方で、「今は本当に反省している」ときっぱり答えた。
鈴村被告によると、医療刑務所に服役し、09年12月に出所。「(服役中に)人命を尊重する教育などを受けたが、意味なかった。(こういう教育は再犯を防ぐ意味で)逆効果になると本で読んだ」と述べた。
出所後は蒲郡市内で両親と同居。一度は工場で働いたが3カ月ほどでやめた。その後は野菜の荷造りなどの軽作業をしていたという。
経済的な困窮や父親との不和などから、追い詰められるような気分になったという。「親が貧乏で、ガスを止められた。追い詰められると大量殺人を空想した」「今回の事件は自殺のようなもの。自分で死ぬ勇気がなかったので人を襲った」
朝日新聞社
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コメント
これを、読んで犯罪者に対する刑務所の処遇を真剣に、考えるべきだと思いました。やはり、裁判で罪を軽くするために、平気で反省したふりをする。刑務所内の道徳教育など、腹の中で笑っているのでしょう。普通の人なら、犯さない罪を犯した人間の心理は、同じ犯罪者にしかわからないのでは?外部からのこういった情報をもっと掘り下げて、犯罪者に対する処遇を考えるべきです。あと、性犯罪者は何度も繰り返します。刑期を終えてからの監視が必要です。
投稿: 梅干し | 2013年2月21日 (木) 04時42分