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2013年1月27日 (日)

裁判員過酷…殺したか、殺してないか、資産家女性殺害「全面対決」の法廷に

産経新聞 1月27日(日)18時0分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130127-00000544-san-soci

 奈良県生駒市萩の台の主婦、井口清美さん=当時(60)=を殺害し、バラバラにした遺体を生駒山中に遺棄したなどとして強盗殺人や死体遺棄、死体損壊の罪で起訴された住所不定の無職、永井真太郎被告(36)の裁判員裁判が28日、始まる。永井被告は、近所でも「資産家」として知られていた井口さんの遺体を切断し、山中に埋めたことは認めているが、強盗殺人罪は否認。遺棄現場から見つかったのは、不自然なほど短期間で白骨化した遺体のごく一部だけで、凶器も死因も特定されておらず、殺害方法は「不詳」のままだ。最初の逮捕から約1年半、公判前整理手続きに約9カ月を要した事件。任期が計55日間に及ぶ裁判員は、審理の長期化による負担とともに難しい判断を迫られる。(山本考志)

 ■残酷、周到な“遺体処理”

 今回の公判では、永井被告が一貫して否認している強盗殺人罪の認定が争点になる。

 捜査段階で永井被告は死体損壊、死体遺棄両罪を認める一方、井口さん宅を訪れた際には「すでに死んでいた」と供述していた。

 しかし、検察側は事件の構図を、永井被告が平成23年6月21日午前10時45分ごろ、不正に入手した鍵を使い、窃盗目的で井口さん宅に侵入したものの井口さんに目撃され、同日中に殺害したとみており、「すでに死んでいた」とする供述を覆すための証拠を公判で提示する見込みだ。

 また、永井被告は死体損壊、死体遺棄両罪の動機については「(井口さんを)殺したと思われたくないので遺体を埋めた」と供述している。

 県警の捜索で発見された遺体の一部は、遺棄されてから不自然なほど短期間で白骨化していた。検察側は遺体が電動ノコギリなどで切断され、さらに別の刃物でも切り分けられて遺棄されたとみている。

 頭蓋骨の一部も見つかっているが、歯がほとんど残されておらず、発見現場の土中からも皮膚や毛髪などがほとんど見つからなかった。このため、歯型やDNA型鑑定による身元特定は難航した。

 永井被告が供述したように、井口さんを殺害したのではなく、偶然遺体を発見したとするならば、これほどまでに残酷かつ用意周到な方法で遺体を処理する必要があったのか。この矛盾点についても検察側は追及する見通しだ。

 ■ドバイ経由英国行き…出国寸前の逮捕劇

 永井被告はどのように逮捕され、一連の事件はどう発覚したのか。

 発端は23年7月5日、奈良県警生駒署に提出された井口さんの行方不明届だった。井口さんは当時、夫を亡くし1人暮らしで、長女が「母親と連絡がとれなくなった」と同署に相談していた。

 井口さん宅は施錠され、荒らされた形跡もなかったが、その後の捜査で、市内のコンビニで同月1日の夜、井口さん名義のクレジットカードで現金が引き出されようとしていたことが判明した。防犯カメラの映像などから、井口さん一家と交流のあった永井被告が捜査線上に浮かんだ。

 県警は8日夜、関西国際空港から中東・ドバイ経由で英国方面に出国しようとしていた永井被告を見つけ、カード不正使用の窃盗未遂容疑で逮捕した。

 そして、永井被告の供述をもとに市内の山中を捜索したところ、遺体の一部を発見。これに付着したわずかな組織片をDNA鑑定した結果、井口さんのDNA型と一致した。県警は19日に永井被告を死体遺棄容疑で再逮捕。さらに8月10日には井口さんのカードを奪い、殺害したとして強盗殺人容疑で再逮捕した。

 ■殺害方法は「不詳」

 話を公判の見通しに戻す。

 検察が描く事件の構図に対し、弁護側は直接証拠が少ないため永井被告の強盗殺人罪について、疑わしきは罰せずという刑事裁判の原則「推定無罪」を主張するとみられる。

 殺人事件の公判では、遺体の損壊状況や死因、凶器などが、被告の殺意や殺害方法を立証する上で重要な要素となる。しかし、今回の事件では遺体の大部分が見つかっておらず、凶器や死因も特定されていないため、検察側は井口さんの殺害方法を「不詳」として起訴している。

 近年の冤罪(えんざい)事件を受け、刑事裁判では状況証拠のみで有罪にする際、最高裁が22年に示した「被告が犯人でなければ説明できない事実がいる」という基準が厳格に適用される傾向にあり、裁判官や裁判員がどのような判断を下すかに注目が集まる。

 ■奈良地裁で過去最長の裁判員任期

 死刑または無期懲役という重罰が規定された強盗殺人罪で、被告側が無罪主張するとみられる今回の公判では、審理に諮られる証拠も多岐にわたる。

 検察側、弁護側の双方が裁判官に提出する証拠を示し、争点を明らかにする公判前整理手続きの期間は、24年4~12月の約9カ月間に及び、全国平均の約6カ月間(24年10月末時点)を上回った。

 この手続きで決定された裁判員の任期も、今年1月10日の選任手続きから3月5日の判決まで計55日間と長期化。奈良地裁では24年1~2月に開かれた警察官発砲事件の付審判(43日)を超え、過去最長となった。

 任期中の公判は計15日間を予定し、裁判員が審理や評議をする「職務従事日数」も、全国平均の4・9日(24年10月末時点)を大きく上回る見通しだ。

 このため裁判員の負担が懸念され、同地裁は辞退者の続出を想定し、候補者名簿から260人を抽出したが、選任手続きの出席者は51人にとどまった。

 選任手続きで抽選に外れた奈良県河合町の男性(64)は「地裁で事件の概要を知り、大きく報道されていた事件だったので驚いた」とし、「難しい裁判になると思うので、正直なところ、選ばれなくてほっとしている」と胸の内を明かした。同じく抽選に外れた同県橿原市の男性会社員(38)は「任期が長いため、裁判員に選ばれていれば仕事への影響は大きかったと思う」と話した。

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