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2013年1月16日 (水)

極刑回避、思い交錯 飯豊一家殺傷控訴審判決

山形新聞 1月16日(水)12時30分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000363-yamagata-l06

 15日に仙台高裁で行われた飯豊町一家3人殺傷事件の控訴審判決は、伊藤嘉信被告(30)を無期懲役とした山形地裁の一審判決を支持した。遺族は「納得できない」と悔しさをあらわにする一方、被告弁護人は「生きて罪を償わせることがかなった点は評価したい」。極刑をめぐる審判の結果に、双方の受け止め方は大きく異なった。

 夫である伊藤信吉さん=当時(60)=と長男覚さん=同(27)=を殺害され、自らも重傷を負った秀子さん(61)は判決後「私が(事件当時)どんな状況だったのかをもっと綿密に法廷で話していたらと考えると、2人に申し訳なく、つらい」と涙を浮かべ、感情を高ぶらせながら心情を吐露。次男の巧さん(32)は「法廷を出た母の第一声は『これでまた殺しに来る』だった」と被害者の心に刻まれた深い傷に言及し、秀子さんとともになお極刑を求めて最高裁への上告を望んだ。

 嘉信被告が幼少期に覚さんから受けた性的被害による心的外傷後ストレス障害(PTSD)が犯行に影響したとする被告側の主張が認められた点について、秀子さんは「被告人の一方的な言い分で進められて本当に悔しい」と語った。

 一方、有期刑が相当と主張していた被告弁護人は「控訴棄却は残念」としながら、「社会全体の厳罰化の中で死刑を回避できたことについてはほっとしている」と説明。嘉信被告は判決公判前に「心を落ち着かせて受け止めたい」と話していたといい、上告の可能性については「本人と相談して決めるが、遺族の気持ちを考えると慎重に判断しなければならない」と述べるにとどめた。

 判決を受け、仙台高検の加藤朋寛次席検事は「判決内容を検討の上、適切に対応したい」とコメントした。

「無期」は予想通り
 高倉新喜山形大人文学部准教授(刑事訴訟法)の話 無期懲役支持は予想通り。控訴審では2度の鑑定でPTSD罹患(りかん)の結果が出ていたため、死刑を求める検察の旗色は悪かった。そもそも一審で鑑定をしなかったことが疑問で、裁判員裁判が導入された現在では考えられないことだろう。控訴審判決は「精神疾患はあるが、完全責任能力あり」という内容で、もし裁判員裁判で審理されていれば、裁判員は判断に迷ったのでないだろうか。

【解説】「心の傷」絡む重要判例
 被告が幼少期に受けた性的被害で発症したPTSDの犯行への影響が焦点となった控訴審は、PTSDを犯行動機の一端と認めた点で、今後、同種事件の重要な判例の一つとなりそうだ。

 一審では「PTSD様の症状」との認定にとどまったが、控訴審では2度の鑑定で、いずれもPTSDへの罹患(りかん)を認める結果が出た。高裁はこれを踏まえ、間接的かつ限定的ではあるが「PTSD症状等からの解放」が犯行の一因となったと一審より踏み込んだ。一方、刀で2人を執拗(しつよう)に刺して殺害し、1人に重傷を負わせた残忍な犯行態様と結果を重視。量刑の減軽事由に当たらないとした。

 今回の控訴審は、災害や犯罪の被害において一般的になりつつあるPTSDが加害者側の事情として問われた特異な事例。心に重大な傷を負った“被害者”が加害者になる同種事件の裁判に影響を与える可能性は大きい。
(報道部・秋葉宏介)

心的外傷後ストレス障害(PTSD) 事件や事故、災害といった生命、身体への危険を伴う体験がきっかけとなり、時間が経過してもパニックや不眠、過剰な警戒感などの症状が出る精神的な障害。症状が一時的ではなく、1カ月以上続くと罹患が疑われる。

判決要旨
 【主文】本件各控訴を棄却する。

 【理由】一審判決において、犯行の計画性、伊藤信吉さんと秀子さんに対する殺意、犯行態様の執拗(しつよう)性・残虐性、人格矯正の余地などについて明らかな事実誤認、評価の誤りがあるとまでは認めがたい。死刑適用基準を示した最高裁判決の趣旨に反しているとも言えない。

 【犯行とPTSDとの関係】幼少期に伊藤覚さんから繰り返し受けた性的被害の意味を中学生になって理解し、悔しさや憎しみ、怒りを覚えた。PTSDも加わって感情に拍車が掛かり、覚さん殺害の願望を抱くようになった。犯行3カ月前には願望が殺意にまで高まった。覚さんへの悪感情の直接的要因は、軽視しがたい性的被害にあることは疑う余地がない。精神鑑定で指摘された思春期から青年時代を通じたPTSDの症状による苦しみも要因。PTSDおよび解離状態が、間接的かつ限定的ながら犯行に影響を与えていることにも鑑みると、酌むべき点がないとまでは言えない。

 【量刑】信吉さんに対する殺人、秀子さんに対する殺人未遂については、いずれも酌量の余地は皆無。覚さん殺害も相応の計画性があり、執拗かつ残虐。2人殺害し1人に瀕死(ひんし)の重傷を負わせた結果は非常に重大で、遺族の被害感情も峻烈(しゅんれつ)を極めており、被告人の刑事責任は重大。有期刑をもって臨む余地はない。一方、責任能力を左右するものではないがPTSDが間接的かつ限定的にせよ犯行に影響を与えていることなどを勘案すると、極刑がやむを得ないとまでは言えない。無期懲役に処した一審判決の量刑が重すぎるとは言えず、軽すぎて不当であるとまでも言い難い。

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コメント

強盗殺人や保険金殺人のような全く非の無い被害者が金銭目的の身勝手人な加害者によって命を奪われる事件と違って、こういった類の事件は判断が難しかったでしょうね。

少なくとも、この事件は加害者が被害者からいじめという【被害】を受けた過去があって初めて起きた事件ですから、もし自分が裁判員として同じような事情を含んだ事件の量刑を判断しなければならなくなったとき、極刑を支持する自信はありません。

かと言って、罪は罪。無期懲役というのも今ひとつすっきりしません。
人の命を奪っておきながら、自分は生きる希望を辛うじてではあるけれど持てる場所にいる。些か理不尽な気もします。

そもそも、生きて償うと言っても恨みこそあれ償う意志が本人にあるかどうか。
それに、もしかしたら『もともと悪いのは被害者なのだから償う義務などない。』と言う人もいるかもしれない。実際、ネット上には被害者をこれでもかと言うほど悪者にしてこの事件を紹介しているサイトもありますから。そのサイトの管理人氏によると、この加害者はいじめを返り討ちにした【勇気ある行動】をしたのだとか。

無期懲役と死刑の間に差がありすぎることはもう随分以前から問題視する声はありますが、こういった類の事件を耳にするとなおさら中間の役割を成す刑が必要なのではと思います。

投稿: 隣のおばちゃん | 2013年1月20日 (日) 16時35分

1月16日のコメントは私です。 名前を書き忘れたみたいです。

投稿: 巌鉄 | 2013年1月17日 (木) 21時13分

ほぼ、同感です。死刑廃止派の論拠も必然性もないコメントはさしひかえてもらいたい!!

投稿: | 2013年1月17日 (木) 15時31分

精神科医の妻が凶悪犯罪者の脳の働きについていろいろ調べたが思考するロジックがかなり違うという結論だった。

脳や精神の働き等コメントを書き込むとあまりにも長くなるので省略するが早い話生まれながらの屑なのだ。

人として社会性や愛情がなく利己的で残忍な性質を持って生まれてきたのだからなるべくして犯罪者になったのだ。


みんな家でゴキブリを見つけたらどうするか?

まず殺すだろう。


凶悪犯罪者もゴキブリと同じなのだ。

殺すしかないのだ。


普段は社会的立場や周りの世間体がありそんなにストレートには言えないが犯罪者や落ちこぼれなんかどうだっていいのだ。


それを庇う社会から落ちこぼれた屑達も似たようなものだ。

明らかに自己責任なのにまるで被害者のように自分達がこうなったのは社会が悪いとほざいている。


私は屑やゴキブリのために助けることやお金をかけるような事はしない。


私の頭がおかしい。と言うコメントもあったが私がここまで言い切れるのは実際にそのような人達を間近で観察したり医学的根拠があるからなのだ。


屑の皆様へ、貴方達がこうなったのは自己責任であり社会のせいではありません。

全て浅はかな考えやくだらない行動が原因なのですよ。


まぁせいぜいワーワー騒いで無駄に時間を浪費してください。


投稿: | 2013年1月16日 (水) 22時37分

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