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2011年7月 1日 (金)

法廷ノート:検証・松戸女子大生殺害判決/上 「殺意極めて強固」 /千葉

毎日新聞 7月1日(金)11時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110701-00000066-mailo-l12

 「被告人に対しては死刑をもって臨むのが相当である」--。約50分にわたる判決理由の読み上げの後、波床昌則裁判長が、黒のスーツに身を包んだ竪山辰美被告(50)を見据え、ゆっくりと主文を読み上げた。98人が傍聴できる千葉地裁で最大の201号法廷には、慌ただしく席を立つ報道陣の足音が響いたが、竪山被告は微動だにせず法壇に目をやり、判決に聴き入っていた。
 14日間にわたる公判の最大の争点は、千葉大生、荻野友花里さん殺害事件での殺意の有無だった。
 竪山被告は法廷で「荻野さんと包丁の取り合いになり、もみ合っている間に刺さった」と殺意を否定する証言を繰り返した。だが、判決は「客観的な事実関係などによれば、被告が殺意をもって被害者の左胸部を刺した」と認定した上で、竪山被告の証言を「被害者の言動や犯行様態について、信じがたい弁解を繰り返している」とまで指摘し、「殺意は極めて強固」と厳しい言葉で被告の主張を退けた。
 さらに荻野さん殺害後に起こした別の強盗強姦(ごうかん)未遂事件で、竪山被告が被害者に対し「人を刺す時の感触はすーっと刃が入って病みつきになる」などと平然と告げていることを挙げ、「被告の反社会的な傾向性は顕著で根深い」と指弾した。
 弁護側は、死刑を適用する際の死者数などを例示した「永山基準」を示し、死者が荻野さん1人であることなどから「死刑の基準は満たしていない」と無期懲役を求めた。だが、波床裁判長は竪山被告が刑務所を出所後、わずか約2カ月で重大事件を複数起こしたことなどから「本件に特有な事情を考慮すると、殺害された被害者が1人であることなどは、死刑を回避する決定的事情とはならない」と退けた。
 波床裁判長が判決文を読み進むにつれ、弁護人らの表情は険しさを増したが、竪山被告は前を向き、淡々とした様子で耳を傾けていた。判決を傍聴した千葉市稲毛区の主婦(61)は「荻野さんや両親のことを思うと、死刑で納得できた。論告求刑も傍聴したが、竪山被告は普通の社会生活ができない人だと感じた」と語った。
 ◇裁判員、それぞれの判断で
 判決後、裁判員経験者と補充裁判員経験者計3人が記者会見に応じ、永山基準が死刑判断に影響しなかったことを明かした。3人は「基準にはこだわらなかった」と口をそろえ、補充裁判員を務めた男性は「それぞれの判断で決めていくのがいいと思う」と述べた。
 裁判員を務めた男性は「本当にこれでよかったのか疑問が残る」と戸惑いを口にする一方、裁判員を務めた女性は「評議を重ねた結果で結論に悔いはない」と言い切った。
 判決後、千葉地検の江畑宏則次席検事は「事実認定及び量刑判断ともに検察の主張が全面的に認められた適正妥当な判決」とコメント。竪山被告の弁護団は「控訴するかは判決内容を精査し、竪山被告と相談の上対応したい」などとするコメントを出した。
 荻野さんの両親は判決後、初めて記者会見して心境を語った。笑顔の遺影を携えた父卓さん(62)は「死刑のハードルがこんなにも高いものかと何度も負けそうになった」と振り返り、「今日の日を迎えられてありがたく思う」と振り絞った。母美奈子さん(58)も「友花里が自分の体でしっかり訴えた結果」と安堵(あんど)感を漂わせた。判決言い渡しの際には写真を握り「あんたが頑張ったから、みんなにわかってもらえたんやで」と心の中で語りかけたという。
   ◇  ◇
 裁判員たちが「更生可能性は乏しい」として究極の刑罰を選んだ今回の裁判。9日間の審理を記録した公判ノートから法廷でのやりとりを検証し、千葉地裁の裁判員裁判として初の死刑判決が、今後の裁判に及ぼす影響を探る。

7月1日朝刊

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