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2011年5月25日 (水)

<布川事件>「自白誘導の可能性」裁判長が言及

毎日新聞 5月25日(水)1時19分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110525-00000002-mai-soci

 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年、大工の男性(当時62歳)が殺害された「布川事件」の24日の再審判決で、水戸地裁土浦支部の神田大助裁判長は「強盗殺人の犯人と証明するに足りる証拠は存在しない」と、桜井昌司さん(64)と杉山卓男(たかお)さん(64)を無罪(求刑・無期懲役)とした理由を述べた。検察側が主張していた自白の信用性を否定し、誘導の可能性に言及した。検察側は控訴しない公算が大きい。

 2人は78年7月に最高裁で無期懲役が確定し、仮釈放中だった。死刑か無期懲役が戦後確定した事件の再審無罪判決は昨年3月の「足利事件」以来で、7件目になる。

 弁護側は「警察・検察が(無罪の)証拠を隠し、追認した裁判所にも責任がある」として誤審の原因解明を求めていた。しかし、判決で目立った言及はなく、足利事件の再審判決のような裁判長の謝罪などはなかった。

 2人と事件を直接結びつける物証はなかった。このため、再審公判でも(1)捜査段階での「自白」(2)近隣住民の「2人を見た」との証言--の信用性が最大の争点となった。

 判決では、自白を裏づける証拠がないことなどから、その任意性や信用性は「慎重な姿勢で臨むことが強く求められる」とし、「客観的事実と合わない可能性が高い点がある」「2人の供述に多くの食い違いがある」--などと疑問点を挙げた。

 そして「自白調書が誘導などで作成された可能性を否定できない」と弁護側の主張に沿う判断をし、「自白は信用できず、任意性も相応の疑いをぬぐえない」と結論づけた。

 また「バイクで現場付近を通りかかった際に2人を見た」との目撃証言も「供述経過や視認状況などから信用性に欠ける」と指摘した。検察側は、自白も目撃証言もいずれも信用できると主張してきたが、退けられた。

 2人は窃盗など別件で逮捕された罪も合わせて無期懲役が確定していた。再審判決は、強盗殺人は無罪としたが、別件は執行猶予付きの有罪とした。【原田啓之】

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