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2010年11月18日 (木)

横浜2人殺害 初の死刑判決 裁判員、重い決断

毎日新聞 11月16日(火)11時42分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101116-00000013-maip-soci

 6日間の公判と3日間の評議の末、法廷に並ぶ市民が初めての重い決断を下した。強盗殺人罪などに問われた住所不定の無職、池田容之(ひろゆき)被告(32)に16日午前、求刑通り死刑を言い渡した横浜地裁の裁判員裁判。電動のこぎりなどで男性2人の首を切るという、せい惨な事件。遺族に謝罪し涙も見せた被告に与えるべきは、生か死か。こわ張ったようにも見える裁判員の横で裁判長は「控訴を勧めたい」と語り、「罪と罰」のはざまで市民らが苦悩した様子をにじませた。【山田麻未、中島和哉】

 「被告人を死刑に処する」。地裁で最多の84席の傍聴席が埋まった101号法廷。午前11時3分、朝山芳史裁判長が主文を告げると、池田被告は「ありがとうございました」と法壇に向かって一礼した。さらに遺族も座る傍聴席に振り返って「申し訳ございませんでした」と謝罪した。

 池田被告はいつものジャージーではなく、黒っぽいスーツ姿で入廷。冒頭、朝山裁判長が「判決を言い渡しますが、理由は長くなりますので座って聞いてください」と述べ、「理由を先に言います。主文は後になります」と付け加えた。池田被告は「はい」と答え、被告人席に座り顔をやや法壇に向け、ほとんど表情を変えることなく聴き入った。

 裁判員は手元の判決文を目にしている様子で終始うつむき加減だが、主文言い渡しの瞬間は、思い詰めたような表情で被告をまっすぐに見つめた。「重大な判断になったので当裁判所としては控訴を申し立てることを勧めたい」。朝山裁判長は異例の説諭をした。

 ◇「麻薬王」にあこがれ

 検察側は公判で、池田被告にとって「事件の原点」とも言える映画があることを明らかにした。1970年代のニューヨークを舞台に、実在の麻薬王を描いた米映画「アメリカン・ギャングスター」(07年)。池田被告は、東南アジアから大規模な密輸をする主人公にあこがれた。元マージャン店経営者の近藤剛郎容疑者(26)=強盗殺人容疑などで国際手配=から覚せい剤密輸に誘われ「自分は神に選ばれた」と思ったという。

 密輸だけでは終わらなかった。店を巡り被害者2人と対立した近藤容疑者から監禁や殺害を依頼されると、「自分は人を殺せる人間」とアピールし覚せい剤利権を手にするため、全く面識のない2人への凶行に走った。

 弁護側が朗読した母親の上申書によると、父は銀行員で比較的裕福な家庭に生まれた。陽気な性格で中学3年では生徒会長。高校卒業後は造船所や車両工場などを転々とし、鉄パイプ切断の作業で電動のこぎりを使った。

 「あの主人公が最後どうなったか知っていますか」。10月13日、密輸を審理した前半の公判の被告人質問。映画に触れた検察官に、池田被告は不意に問いかけ、麻薬王のわびしい晩年を説明した。自分の「転落」を重ねているかのような口ぶりだった。

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