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2010年11月 2日 (火)

裁判員裁判:2人殺害公判 裁判員表情硬く 残虐な遺体写真、凶器 /神奈川

毎日新聞 11月2日(火)11時21分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101102-00000036-mailo-l14

 ◇極刑選択も、16日に判決
 「死刑も求刑され得る裁判です」--。弁護人が極刑の可能性に言及する裁判員裁判が1日、横浜地裁(朝山芳史裁判長)で始まった。せい惨な事件を再現する検察側の冒頭陳述に、一様に表情を硬くする裁判員たち。東京地裁でこの日、耳かきエステ店員ら2人が殺害された事件で死刑が回避され、横浜地裁で、市民が初めての極刑選択という重い判断を迫られる可能性が出てきた。起訴内容に争いはなく、判決は16日に言い渡される。【中島和哉、山田麻未】
 横浜地裁で最も大きい101号法廷。強盗殺人罪などに問われた池田容之(ひろゆき)被告(32)は白っぽいジャージー姿で入廷した。逮捕時は伸ばしていた髪は、丸刈りに。「間違いないです」と認めた後、検察官が冒頭陳述を読み上げる間、被告人席でじっと前を見たまま、表情を変えることはなかった。
 選任された裁判員は男女ともに3人。補充裁判員も男女3人ずつで、若い人は少ない。当初は配布されたメモに目を落として落ち着いた様子で聴き入っていたが、ホテル室内での暴行の状況が詳述されるに従い、表情をこわばらせた。「泣き叫ぶ被害者の声を無視した」「遺体を淡々とゴミ袋に入れた」。読み上げる男性検察官も随所で声を大にし、事件の残虐性を強調した。裁判員らは時折、池田被告の表情を確認するように、被告人席に目をやった。
 午後の検察側の証拠調べでは、切断・遺棄された遺体の写真が裁判員らに示された。配布されたプリント写真には表紙がつけられ、女性検察官が「残虐な写真ですが、結果について重要な証拠ですので、可能な方はご確認をお願いしたい」と言葉をかけた。全員が目を通したが、すぐに目を背ける男性や、ほかの裁判員の様子をうかがう女性も。30秒ほどで朝山裁判長が促し、回収させた。ナイフや電動のこぎりも証拠として提示されたが、すぐに下げられた。
 また、殺害現場となったホテル浴室の現場の状況について、検察官が共犯者の供述調書を朗読すると、若い補充裁判員は両手で顔を覆い、うずくまるような仕草をした。
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 ◇冒頭陳述(要旨)
 マージャン店経営者(当時28歳)と会社員(同36歳)を殺害したなどとして、強盗殺人罪などに問われた池田容之被告(32)の初公判で、検察側・弁護側双方の冒頭陳述要旨は次の通り。
 <検察側>池田被告は09年4月ごろ、元マージャン店経営者の近藤剛郎容疑者=国際手配=から「マージャン店を2人に乗っ取られ、覚せい剤密輸組織の金が横取りされた。許せない」という話を聞いた。5月ごろ、近藤容疑者は会社員から密輸のことを通報すると言われ殺害を考え、6月に被告に会社員を殺害する人物を探すよう依頼。被告は「人を殺せる人間」とアピールし覚せい剤密売の利権を手に入れようと自ら殺害しようと考えた。
 被告はホームセンターで高速切断機などを購入し、同18日、共犯者と千葉県のホテルに2人を監禁。経営者を脅し婚約者らに計約1340万円を持って来させた。19日、近藤容疑者に電話し「2人ともやってください」と言われ、浴室で「最後に母と妻に電話させてほしい」「せめて、先に殺してから切ってください」と言う2人の首を果物ナイフや切断機で切り殺害。遺体を切断しごみ袋に入れ、同20日、共犯者と横浜市の海や富士山ろくに遺棄した。
 <弁護側>死刑求刑もあり得る裁判。しかし、人間の命を奪い去る刑で、適用には極めて厳格であってほしい。被告には死刑を言い渡すことにちゅうちょする事情がある。
 自首が成立し、刑を軽くすべき事情がある。覚せい剤密輸事件で逮捕され、移送される車の中で警察官に本件事件について話した。その結果、体の一部や凶器が発見され真相解明の役に立った。
 犯行にかかわる中で、▽最終決定権は近藤容疑者が握っていた▽発端は同容疑者と被害者のトラブル▽殺害するつもりで計画に加わったのではない▽金銭を直接の目的にしていない▽計画性がない▽犯行にあたり葛藤(かっとう)している--という事実がある。
 本件まで、被告は逮捕されたことはない。耳をふさぎたくなるような事実もあるが、被告は正直に話した。やったことを考えるほど死をもって償うしかないのでは、と思っている。許してもらえることではないと理解したうえで、遺族に謝罪の手紙を書いている。

11月2日朝刊

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