「死をもって償うのか、答え出せていない」被告が裁判員に揺れる心情吐露
カナロコ 10月15日(金)9時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101015-00000011-kana-l14
「どう反省するか。死をもって償うしかないのか。今もその答えは出せていない」。前半区分審理の最後の意見陳述、裁判員を前に池田被告が吐露したのは、自分の犯した罪と向き合い続け、なおも揺れる心情だった。
とつとつとした語りは10分以上に及んだ。「死をもって償うよりも、生きて償うことは、なおつらいことかもしれない」。直立不動で、そんな言葉も口にした。
逮捕から1年3カ月。反省や償いの形を考え続けてきたという。
警察の取り調べでは「おまえの人生の幕は下りたな、と言われた」。弁護団からは「無期懲役になり生きて償うという道もある」と諭された。今年4月には「事件をどう受け止め、公判を待つべきか分からない。指示を頂きたい」という内容の手紙を朝山裁判長に送ったという。
マージャン店経営をめぐるトラブルから男性2人を殺害したことについて、この日、「2人の命を奪っている」とはっきり認めた。逮捕直後に死刑の可能性があることを理解し、その重みに精神的に追い詰められ、留置場で警察官への暴行に及んだこともあったが、現在の心境は「自分を見詰める時間が必要だと思うところまで至った」と説明した。
6人の裁判員に対しては、まっすぐ見詰め、「判決が答えを頂くきっかけになれば」。さらに「皆さんの貴重な時間を頂いたことを謝罪させていただきたい」とも述べた。
後半の区分審理は11月1日に始まり、判決は同16日。問われる強盗殺人罪の法定刑は原則で無期懲役か死刑だ。池田被告は「自分がやったことなので、どんな判決が出ても誰も恨まない。死刑ならば『自分の犯した罪である』と受け入れる。(心の)準備をしていくつもり」と述べ、「(裁判員の)皆さまからの導きをお願いします」と締めくくった。
深々と頭を下げる被告の姿をある裁判員はうつむきながら、別の裁判員はしっかりと見詰め続けた。
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