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2010年9月 4日 (土)

刑場公開で現場の思いは? 「精神的負担大きい」「執行後は供養も」… 

産経新聞 9月4日(土)21時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100904-00000557-san-soci

 【社会部オンデマンド】

 「千葉景子法相の意向で東京拘置所の刑場が報道機関に公開されましたが、政治家の一言で、死刑が執行される場所が公開されたことに違和感を覚えます。現場の刑務官の方はどのような思いをお持ちなのでしょうか。また、諸外国での死刑執行時の状況も教えてください」=茨城県の男性(64)

 ■「時代の流れ、いつかは…」

 「なにごとにも見せていいものと、見せるべきではないものがある。刑場については見せるべきではないと考えていたが、時代の流れの中でいつかこのような日が来るようなことは予想していた」

 報道機関に対し、8月27日に行われた東京拘置所の刑場公開について、死刑執行に携わっている刑務官はこう語った。

 千葉法相は参院選での落選後、議員としての任期が切れる直前の7月24日、死刑執行命令書にサイン。「きちんと見届けることも責任と考えた」と同月28日、東京拘置所で執行された死刑に立ち会った。その上で、「国民的議論に資するという観点から、東京拘置所で刑場の取材機会を設けるように」という指示を法務省に出したのが、今回の公開のきっかけだ。

 関係者によると当初、法務省矯正局をはじめとした現場サイドは公開に消極的で、「最も重い刑を執行する厳粛な場所。公開にはなじまない」という声が大勢だった。収容者らのプライバシーへの配慮や警備上の問題から、通常とは異なる体制をとる必要も生じ、勤務する刑務官らの家族や拘置所周辺の地域社会に影響を与える可能性もある。これまでも取材要請はことごとく断ってきたという。

 こうした感情論や技術的な難しさを制したのは、千葉法相がこだわった「議論に向けた必要な情報公開」という点だ。極刑適用の判断を国民に求める裁判員制度も状況を後押しした。

 矯正局は公開の範囲など、検討を重ねた。その結果、「通常のあるがままを見てもらう」という原則のもと、死刑囚が立つ踏み板が開閉されたり、首にかける絞縄(こうじょう)が設置されたりすることはなかった。執行室の下の階にある死刑囚の死亡が確認される空間も、「生命を絶つ極めて厳粛な場。執行従事者らの心情に与える影響を考慮した」と、公開しなかった。

 ■海外では執行立ち会いも

 「刑務官ら矯正職員の思いを理解してほしい」。矯正局幹部は、死刑執行にあたっている職員から心情を聴いていた。

 「死刑執行は厳粛な職務。失敗は許されるものではなく、精神的負担は想像してもらえないほど、大きい」

 「手が震えるほどの緊張感の中、粛々と職務を遂行している。執行されるものは許されない罪を犯したものであり、被害者遺族の思いや社会正義の実現のためには自分がやらなければいけないことを自分に言い聞かせ、生半可な気持ちではなく、大変な決意で執行に携わっている」

 「刑場は厳粛な場所で、執行後は供養もお祈りもしており、刑場に立ち入る際には死者の魂に敬意を表している」

 死刑制度の議論にあたって、被害者遺族らの思いはもとより、こうした声にも耳を傾けることが期待される。

 アムネスティ・インターナショナルのまとめによると、昨年末の段階で死刑を廃止したり、制度はあるものの執行を長期間停止したりしているのは、すべての欧州連合(EU)加盟国や韓国、カナダ、南アフリカなど139カ国。死刑があるのは日本のほか、アメリカの35州、中国や北朝鮮、イラクなどにとどまり、刑場の公開そのものが議論になる国は限られてきている。

 アメリカでは州によって違いはあるが、死刑執行自体への立ち会いが広く認められている。死刑囚の家族、被害者家族、検察官、弁護士らで、報道機関が立ち会う例もある。

 168人が死亡した米オクラホマシティー連邦ビル爆破テロ(1995年)の実行犯、ティモシー・マクベイ死刑囚に対する死刑が、インディアナ州の連邦刑務所で2001年、薬物注射によって執行された。

 刑務所にはテロの被害者遺族や報道関係者が立ち会ったほか、特別な回線を通じて、犠牲者の家族らが待機するオクラホマシティーの施設に中継され、200人以上がモニターを通じて見届けた。中国でも重罪に対する裁判が公開され、死刑の執行現場が公開されていたことがある。(酒井潤)

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コメント

いつ何時、自らが裁判員となって死刑判決を下すことになるかも知れないと考えると、刑場のみならず処刑の手順や死刑囚の選抜方法、死刑囚の処遇なども詳細に知る必要があるだろう。

このようなことは隠しても得をすることなど何もないのだから、すべてをオープンにすべきだろう。

そうすることで裁判員は自ら下した判決に対して、最後まで責任を持つことができるようになるのではないだろうか。

投稿: | 2010年9月 6日 (月) 22時07分

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