袴田事件:検察側開示は7項目 支援団体「すべて出すべきだ」 /静岡
毎日新聞 9月8日(水)10時45分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100908-00000002-mailo-l22
旧清水市(現静岡市清水区)で1966年、一家4人が殺害された「袴田事件」で、袴田巌死刑囚(74)の弁護団は7日、記者会見を開き、第2次再審請求をめぐり検察側が7項目の証拠開示に応じる意向を伝えてきたと正式に発表した。81年の第1次再審請求を通じ、検察側が未提出の証拠を開示するのは初めて。支援団体は同日、再審開始を求める請願書を静岡地裁に提出し、記者団に「検察側はすべての証拠を開示すべきだ」と訴えた。【山田毅】
袴田死刑囚は80年、最高裁で死刑が確定した。81年、第1次再審請求を申し立てたが、静岡地裁、東京高裁はこれを退け、最高裁も08年3月、弁護側の特別抗告を棄却した。
姉秀子さん(77)が翌月、第2次再審請求を申し立てたことを受け静岡地裁、検察側、弁護側は昨年7月から3者協議を始めた。
再審の実現のため新証拠を探ってきた弁護団メンバー、小川秀世弁護士の7日の説明によると、これまで検察側には計26項目の証拠の開示を要求した。
弁護側によると、検察側が13日の3者協議で開示に応じるのは7項目で、▽事件当時の消防の火災出動報告書や実況検分調書▽袴田死刑囚の実家を調べた警察官の報告書▽みそタンクから見つかった、犯行時に袴田死刑囚が着ていたとされる衣類5点の製造元や販売者の調書--など。
また支援団体「無実の死刑囚・元プロボクサー袴田巌さんを救う会」は7日、再審開始を求める請願書を6281人の署名とともに静岡地裁に提出した。
1審の裁判官3人のうちの1人だった熊本典道さん(72)も同行し「無罪の心証を持ちながら合議の結果、死刑判決を書かざるを得ず、いまだに断腸の思い。再審開始を切にお願いしたい」との上申書を提出した。
救う会代表の門間正輝さんは、検察側が一部の証拠開示に応じるとの弁護団の説明に触れ、「不都合な証拠を出すとは考えにくい。すべての証拠を開示すべきだ」と話した。
9月8日朝刊
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コメント
日本の裁判では、検察は被告が不利になる証拠のみの開示でも良いとされている。これでは、事件の捏造は容易にできるため冤罪は十分に起こり得る。
しかしなぜ、検察がすべての証拠の開示に難色を示すのか理解に苦しむ。これで公平公正な裁判といえるのだろうか。
投稿: | 2010年9月10日 (金) 09時12分