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2010年8月28日 (土)

裁判員裁判:「遺体なき殺人」 無期懲役判決 地裁「組織的かつ計画的」 /宮城

8月28日11時56分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100828-00000077-mailo-l04

 ◇「反省の意味模索」
 遺体という重要な証拠が発見されないまま審理した「遺体なき殺人事件」の判決公判。男性2人を相次ぎ殺害したとして強盗殺人罪などに問われた亘理町出身の無職、笹本智之被告(36)に、仙台地裁の鈴木信行裁判長は「犯行は組織的かつ計画的で被告人は首謀者である」などとして求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。一方、別の殺人事件の判決も求刑通り懲役15年。極刑の選択もあり得た裁判員裁判だっただけに、判決後の会見で女性の裁判員は「心理的負担があった」と涙を見せた。【須藤唯哉、高橋宗男、比嘉洋】
 笹本被告は黒のTシャツとズボンの姿で入廷。鈴木裁判長は主文を言い渡した後、判決理由を▽99年1月に暴力団組員の打田篤司さん(当時31歳)を殺害した事件▽04年9月に風俗店経営の石垣英治さん(当時30歳)を殺害し、山林に埋めた「遺体なき殺人事件」--の時系列順に読み上げ、笹本被告は証言台の前で聞いた。
 判決では「遺体なき殺人事件」について、「組織性、計画性や強盗殺人の態様の冷酷さ、残虐さからすれば被告人の責任は極めて重大」と指摘。一方で「自らの犯した罪に向き合い、反省の意味を模索していると評価できる面があり、更生の余地がないとまでは言えない」と認め、「死刑を選択することにちゅうちょせざるを得ない」と述べた。
 また、打田さん殺害事件については「(笹本被告の自供以前に)捜査機関に発覚していたとは言えない」と争点となっていた自首の成立を認めた。「極刑になることも覚悟して事件内容を話した。事件の全容解明に貢献していることにかんがみると、無期懲役を減軽して懲役15年が相当」と判断した。
 判決の言い渡し後、鈴木裁判長が「裁判所の言いたいことは量刑の理由に尽きています」と話しかけると、笹本被告は黙ってうなずいた。
 弁護側は判決後の会見で、打田さん殺害事件で無期懲役を前提に減軽した判断について「重いと受け止めている」としながらも「遺体なき殺人事件」については「妥当な判決だと思う」と話した。仙台地検の東弘次席検事は「両方の事件について検察官の主張を基本的にはご理解いただけた」などとコメントした。
 ◇「極刑」の可能性、心理的負担に--裁判員が会見
 27日の判決後に裁判員と補充裁判員計5人が記者会見に応じた。「死刑」の可能性もあった裁判だっただけに、裁判員らは「心理的な負担」に悩まされた5日間を疲れた表情で振り返った。
 七ケ浜町の女性看護師(30代)は「心理的な負担は」と質問され、「すごくあった」と答えて涙ぐんだ。今回の裁判が暴力団関係者が絡む事件だったことも心理的なプレッシャーとなったことを示唆した。男性会社員(20代)も「死刑も含めた判断を一般人に求めることは精神的苦痛につながるのでは」との心情を吐露した。
 多賀城市の不動産業の男性(40代)は「時間がとても長く感じられた。今後裁判員に選ばれる方々の精神面を心配している」と語った。
 一方、同じ笹本智之被告(36)が関与した事件だったにもかかわらず、刑法の規定で二つの事件を分けて量刑を決めたことについては、裁判員からは「法律で決まっていることだから仕方ない」と冷静に受け止める声が相次いだ。しかし、七ケ浜町の女性看護師は「どうして悪いことを二つもしているのに分けないといけないのか疑問を感じた」と割り切れない気持ちを抱えたことも明かした。
 ◇犯罪組織BTK、関与が明らかに
 判決では、笹本智之被告(36)が94年ごろに結成した犯罪組織「BTK」のメンバーが二つの殺人事件に関与したと認定した。
 冒頭陳述などによると、BTKは、高校時代の同級生でマフィアにあこがれた石垣英治さん(04年9月殺害)と笹本被告の2人で結成。組織名は「殺すために生まれた(Born To Kill)」から名付け、2人がリーダー格だった。
 ナンバースリーだった仙台市若林区連坊小路、会社役員、菅田伸也被告(32)=殺人罪などで起訴=も高校生のころに加入。組織は拡大しながら犯罪を繰り返し、ついに殺人事件も起こした。
 さらに、BTKは打田篤司さん(99年1月殺害)さんと石垣さんの殺人事件に加え、笹本被告を除くメンバーの一部が00年8月、首つり自殺に見せかけて自衛官の男性を殺害した保険金殺人事件を起こしたとされる。三つの殺人事件で重要な役割を担ったとされる菅田被告の公判前整理手続きは既に始まっている。公判期日が決まった別のメンバーもおり、BTKが関与したとされる裁判員裁判は続く。【須藤唯哉】

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