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2008年8月23日 (土)

第98回 夢の中へ

7.15(火)曇のち晴

8時出発の飛行機に乗るため(マニラ空港はテロ防止の検査が厳重で、出発3時間前までに空港到着を求めている)、午前2時に起こされ、シャワーを浴び朝食をして、3時に口のきけないティト(叔父)と犬のドウセイを留守番に残して、ホヤジンが運転するワンボックスカーに家族全員(私とRevy、Toby、両親、レオ、サイラ、アレー、ティタ(叔母)エドナ)乗り込み空港へ出発した。カインター・リサールの家を出た時、空はまだ暗かったが2時間近く走り、マニラ空港に到着した頃は明るくなっていた。

Revyを見送るために空港ビルの前で全員車を降りた。(見送りの者は空港ビル内に入れない規則)
「Toby、ママはお仕事に行ってくるからね。パパとおばあさんの云う事を聞いて、いい子にして待っててね。チョコレート、おみやげ、いっぱい買ってくるからね」と云って抱いていたTobyを母親に渡し、
「じゃ、行ってくるね」
とRevyはスーツケースを引いて空港ビルの入口へ、歩いて行った。Revyの姿が空港ビルの中に消えた途端に、Revyの母親に抱かれていたTobyが突然「ママー、ママ」と激しく泣きだした。

私がTobyを抱き取って車に乗り込み、家へ帰るために走り出した。
私の腕の中で「ママ、ママ」と身を揉んで泣き続け、疲れて泣きじゃくりながら寝入ったTobyを抱き、その顔を見ていると、生まれてから3年、父親のいないTobyの傍らにいつもいた母が、出稼ぎのために居なくなり、あとを追って泣きじゃくるTobyの気持ちを思うと、涙がこみあげてくるのを堪えきれなかった。頬を伝って鎖骨に流れ落ちた涙を「冷たい!」と感じたとたんに、目が覚めた。

窓を見ると外はまだ暗い。
夢の中で抱いていたTobyの体の感触を、「ママ、ママ」とRevyを呼ぶTobyの声が鮮明に記憶に残り、現実に一度、Tobyをこの腕に抱き締めてみたかったーと思うと、"夢の中に戻りたい"と切実に思った。

フィリピンで、Revyの家族と一緒に田舎の親類の家を訪ねると、Revyは従姉妹が産んだ子を抱かせてもらっては「私も早く、あなたの子供がほしいよ」と云っていた。「俺に収入が無くなったり、老人の俺が子供が小さいうちにに死んだら、どうやって育てる、大変だろう」と云うと、「大丈夫だよ。あなた働けなくなったらフィリピンに来て一緒に暮らすがいい。あなた家で子供の世話をする。私が日本へ働きに行く、ヤキモチしないな。あなた死んだら、子供はお母さん、サイラ、アレーに世話してもらって私が働くから大丈夫だよ。早く子供が欲しいよ」といつも云っていた。それに、サイラから来た手紙が不許可で交付されず、読めない事でバタバタしていたので、こんな夢を見たのだろうか?

比国のTobyとRevyとその家族のことを、あれこれ考えているうちに、そういえば、自分が幼い時、愛別の駅で、太田と妹と3人で改札口からホームに出て行く母のあとを追ったが、改札口を通れずに鎖を摑んで泣いていた時、たしかに母が振り返って私に「何か」云ったことを思い出した。が、何と云ったのか、その時の母の言葉は思い出せなかった。

RevyのことTobyのこと、母のこと祖母のこと、妹のこと精薄施設にいる弟のことを考えているうちに、いつの間にか外が明るくなり、起床のチャイムが鳴った。夕食時に、パック容器入のカット・スイカが配られた。冷えていた美味しかった。

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コメント

この頃、4人殺して捕まる前だったんでしょ。信じられないよね。何件も金目当てで人殺ししておいて、この会話。奥さんにもウソっぱちの経歴をはなしてたって、ここの日記に書いてあった。

人殺ししたあとに、平然とフィリピンで「幸せだった」って…。信じられない。

投稿: | 2010年8月26日 (木) 11時24分

正直、ざまみろと思う。
やりたい放題の生活してきた報いだね。
むしろ可哀想なのは、レビー&トビーだろ。
死刑囚の妻。死刑囚の息子なんて、どんだけ悲惨な肩書きだよ。
だいたい、そういう気持ちになるなら、
自分が手をかけた回りの人がどれだけ苦しい思いをしてるか、そこに考えが至って、
自分の事なんて口にできねぇだろ。
まぁ、それくらい当たり前考えに至らない程度の低い男だから、
強盗殺人事件なんて、おこしたんだろうけどな。
早く吊るされろ、見てるとイライラする。

投稿: 電撃戦隊オダジマン | 2009年8月 8日 (土) 17時01分

3畳の隔離された部屋
で会うことのかなわぬ
家族を想う・・

どうしようもない切ない気持は伝わりますが
ここでしっかり
ご遺族もあなた以上に苦しんでることを理解して頂きたいと
思う。

投稿: 土建屋40才 | 2008年8月23日 (土) 21時31分

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