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2008年5月18日 (日)

量刑議連発足 終身刑の早期創設へ

「終身刑」創設を目指す超党派議連「量刑制度を考える超党派の会」(会長・加藤紘一元自民党幹事長)が15日、国会内で総会を開き、正式に発足した。最高顧問に森喜朗元首相、副会長に鳩山由紀夫民主党幹事長、亀井静香国民新党代表代行らが並ぶ“豪華”な顔ぶれで議員立法による早期の刑法改正を目指す。ただ、保守勢力は「終身刑創設は事実上の死刑制度廃止だ」と神経をとがらせており、賛否をめぐり激しい論争となる可能性もある。(加納宏幸)


総会には与野党の国会議員55人が出席した。週1回ペースで会合を開き、終身刑導入を軸に量刑制度を議論し、今国会中に法案骨子をまとめる方針だ。


発起人であり、死刑制度廃止論者で知られる亀井氏は、来年5月に裁判員制度が導入されることに触れ、
「ずぶの素人が3日間で結論を出し、死刑を言い渡す制度が始まる。われわれは待ったなしの責任を負っている」と熱弁を振るった。


ところが、弁護士出身の丸山和也参院議員は
「国家が死を命じるということを離れては深い議論はできない」と述べ、死刑制度を正面から議論すべきだと主張。一方、共産、社民両党の議員らは死刑廃止に言及した。


一連の発言に、議連の仕掛け人である加藤氏は渋い表情を浮かべた。自民党には死刑廃止論へのアレルギーが強い。無期懲役と死刑のギャップを埋める手段として終身刑ならば賛同を得る可能性があるが、「死刑廃止」に踏み込めば、保守勢力が反対に転じ、議連が瓦解しかねないからだ。


議連の裏側では、法務官僚の暗躍も指摘される。裁判員制度が導入されれば、一般人が重要犯罪の量刑にもかかわることになる。
「一般人に死刑判決の『踏み絵』を踏ませるのか」と制度の不備が社会問題化する可能性があるからだ。


総会でも、法務省は諸外国の死刑制度や無期刑のあり方などに関する詳しいレジュメを用意し、担当者が熱心に説明した。死刑制度をめぐる刑法改正案を政府提出法案にすれば、与野党攻防の中で宙づりにされる可能性が高いが、「思想信条や宗教、信仰にかかわる問題」として与野党が党議拘束を外して採決に持ち込めばスムーズに刑法改正を果たせると踏んだようだ。


議連発足と歩調をそろえるように、民主党は近く政策調査会に
「刑罰のあり方検討PT」を発足させ、終身刑創設を議論する方針だ。


だが、保守系議員は
「量刑議連は死刑廃止運動の延長線にある」(閣僚経験者)と警戒を強めている。亀井氏が会長を務める超党派議連「死刑廃止推進議連」も4月の役員会で、終身刑創設などを盛り込んだ刑法改正案をまとめており、終身刑が死刑の大きな歯止めになることは間違いない。


「死刑存続」派の自民党の中川昭一元政調会長は14日、法務関係に詳しい古屋圭司衆院議員に終身刑導入が現行刑法に与える影響を調査するように指示した。自らが主宰する「真・保守政策研究会」でも議題に取り上げ、場合によっては裁判員制度の見直しにも踏み込む考えを示している。



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